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村上 密 Blog

自殺は罪ですか

 自殺は罪であるという教えに多くの人が苦しんでいる。本当に罪だろうか。罪だと言う根拠にモーセの十戒が引用されるが、これは自殺を罪とする根拠にはならない。これは「殺してはならない。」(出エジプト20:13)であって、自殺してはならないではない。殺してはならないと命じる神が、イスラエルの民を滅ぼそうとする民を滅ぼせと命じられることもある。こういうわけで、何が何でも殺してはならないわけではない。これはイスラエル共同体の中で、殺しがあってはならないとの戒めで、これを破る人は死罪になる。死刑を実行する人は罪に定められない。自殺が罪と明確に書いてある箇所は聖書の中にない。これはキリスト教の歴史の中で罪とされてきたもので、これは改めなければならないものである。自殺してはならないを、キリスト教の教えとして広く伝えることになったのは、三浦綾子さんの『細川ガラシャ夫人』である。ガラシャは自殺は罪なので、家臣に自分を殺させている。これを美談にしている。死を選択しなければならない状況で、自殺できないので他人に自分を殺させる。もし自殺が罪なら、殺させることも罪である。何事も置かれた状況によるのであって、一律に自殺を罪とする考え方は誤っている。法律では自殺を罪としていない。聖書の中でも自殺を罪としていない。自殺を罪とするのは、習慣的な考え方である。この習慣が自殺をした人の遺族を苦しめる原因になっている。作られた罪意識が、人を苦しめるなら、私たちはそれを変えていかなければならない。鬱の回復期の自殺を罪と見做すのは酷である。自死を選択するほどに追い詰められた状況、原因にも目を向けるべきだ。よって、私は自殺を罪とするキリスト教的な教えを聖書の教えと違うものと見做している。(2013.2.11の記事を再掲載)
by maranatha | 2016-03-23 23:42
宗教問題

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