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村上 密 Blog

カウンセリングの悪用

 カウンセリングを利用して、家族関係を壊すようなことが起きている。カウンセラーが、子どもは記憶にないが、親から性的虐待を受けていたのではないか、あなたは、悲惨な体験だったので、心の奥に封印しているのだ、と語りかける手法である。カウンセラーが確信を持った話し方をすると、そうかなと思い始め、そうだと思い込む。インナーヒーリングやインナーチャイルドの癒し方には注意が必要だ。

 あなたは、母親のお腹にいた時、父親が母親へ暴力を振るうとき、深い痛みを経験したんだ。あなたが、父親を憎んでいるのは、暴力を振るった父親を赦してあげないからだ。関係を修復するため断ち切りの祈りをするべきだ。こんな話にも注意した方が良い。

 人は、記憶にないことを、物語として聞かされると、本当であるかのように思う傾向にある。記憶は作られる。作り替えられる。すり替えられる。私の小さい頃、私が悪さをして寝ていたとき、それを聞いた父親が私を足でけり、私は気絶した、と母親から聞かされたことがある。全く覚えていない。だが、自分では映像が浮かんでくる。私は見ていない。覚えてもいない。しかし、映像が浮かんでくる。それは作られた映像で、記憶に基づくものではない。聞かされた話で、作り出した映像である。映像は同じようなシーンある。

 黒澤明監督の『羅生門』は出来事を三人が三人とも違うことを証言していて興味深い。出来事は出来事だけでは、記憶する力がないために、物語として記憶しようとする。そこに、個人の解釈が入り、異なった物語が出来上がる。事実と証人がいても、それを聞いた人人の理解は異なることがある。人は自分の経験や物事の理解の程度で読み込んで取り入れるからである。

by maranatha | 2014-03-29 19:23
宗教問題

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