2013年 04月 13日
間違った聖書解釈の悪影響
(『繁栄という名の偶像』宮平望訳 いのちのことば社 P54)
ティーリケは南アフリカだけでなく、アフリカの教会に誤った思想が拡大したことを証言している。。「イデオロギーによって問題をかすませてしまう行為は、それがキリスト者の間でなされる場合、特に厄介な、気が滅入るようなものとなります。私はアフリカの国々でそれを経験しました。そこではかなり多くの教会(または牧師、神学者たち!)が何世紀にもわたって聖書を酷使し、どんなペテン師的方法とも比較できない程の愚かしさで、テキストの自分かってな解釈を行い、神の言葉にもとづいて、神が白人に世界支配者としての地位を、また黒人には、この青白い顔をした神の寵児(白人)たちに奉仕する役を与えていることを<証明>しようとしているのです。私たちはこういう人たちとたびたび議論しましたが、このぞっとするような考え方に接して、思わず怒鳴りつけたい衝動にさえ駆られました」
(『現代キリスト教入門』佐伯訳、ヨルダン社 P228)
宗教トラブル相談センターへの相談者の多くは「霊的戦い」によって恐怖心が増幅されている。キリストによる救いは信じる者に平安をもたらすものだが、相談者はいつも救いを失わないように、奪われないように戦々恐々と信仰生活を過ごしてきた。悪霊やサタンの存在がクローズアップされ過ぎている。これは信仰というより、神と悪魔、善と悪の二元論的イデオロギーの下にある状態である。神の主権を知らない人が多すぎる。さらに共通するのは、牧師を権威化そして絶対化しているのも特徴である。恐怖心が増幅されているため、牧師への依存度が強くなっている。牧師への意見を言う人は教会に残れず、従順だけがその教会に残る道である。クリスチャン人口と二元論的イデオロギーの影響下にあるクリスチャンの比率はかなり高いと思われる。放っておける人数ではない。
解決するには、権威化、絶対化されている牧師を相対化する必要がある。それで、教会員は教えを比較検討するために資料や書物を読むようにしなければならない。二元論的イデオロギーに影響されている人の思考法は、ジョージ・オーウェルの『1984年』(ハヤカワ文庫に出てくる「ブラック・ホワイト法」(白黒思考)そのものである。これを参考にしてほしい。