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村上 密 Blog

性犯罪初の裁判員裁判

 読売新聞(2009.9.3朝刊)の社会面に性犯罪初の裁判員裁判の記事が掲載されていました。その中で中京大法科大学院・橋本祐加子准教授は「被害者を傷つける質問をしないとも限らないのでは」とコメントをしています。その心配は的中しています。「どうして逃げなかったのですか」「その時逃げていたら」と言う質問は被害者を傷つけます。裁判員は教えなければ気付かないでしょう。これからも性犯罪の裁判員裁判が継続されるなら、このような質問は控えるべきです。そうでなければ、被害者は裁判の席で二次被害を受けます。
 私はカルトの問題を扱っています。それで性被害者の相談をよく受けます。そして被害者はどんな言葉が辛いかを教えてくれます。被害者は警察官、弁護士、牧師、カウンセラー等の守るべき立場の人から傷つけられたことを教えてくれます。私も慎重に対応していますが、ひょとしたら傷つけているかもしれません。火傷した皮膚はどんなにやさしく撫でられても痛いです。それでも医者は治療します。専門のカウンセラーでさえ傷つけずに癒すことは至難の業です。そして自分が傷つけられずに癒すこともできません。共に傷を負い合い、共に許し合って歩むしかありません。信頼関係が築けても、もう大丈夫ということはありません。それ程性被害者の心の傷は深いものです。
by maranatha | 2009-09-04 19:29 | 裁判
宗教問題