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村上 密 Blog

裁判を受ける権利

 「宗教団体の倫理規程で団体職員の裁判提訴や信者に裁判を勧めることを禁じることができるか」と山口広弁護士と今村嗣夫弁護士に相談しましところ、文書で詳しく回答してくださいました。憲法32条には「何人も、裁判所を受ける権利を奪はれない。」とあります。両弁護士は<訴訟行為を規程で規制し、違反者を不利益処分にするようなら、それは法律上無効である。>との一致した回答を寄せてくださいました。また、今村嗣夫弁護士は「国民個々人に裁判を受ける権利を保障している憲法秩序に悖り、また人権感覚の鋭い教師を萎縮させることを狙いとする規程と受け取れ、明らかに公序良俗に反し無効な規程といわざるを得ない」との意見です。この件では口頭で他に弁護士一名、民法の専門家一名、法務関係者二名にもほぼ同様の見解をいただいています。

 カルトの内部では団体職員と信者は訴訟を提起しません。裁判を受ける権利が心理的に奪われているからです。また、「宗教団体の倫理規程で団体職員の裁判提起や信者に裁判を勧めることを禁じる」規程を設けているキリスト教の団体を、私は一つの団体を除いて他に知りません。この団体は裁判を受ける権利を公然と奪っているのです。人権意識の欠如した団体と言われてもおかしくありません。山口広弁護士と今村嗣夫弁護士の回答書を約270部関連する団体職員に郵送しました。団体職員が人権意識をしっかり持ち、規程見直しを速やかにしていただくためです。もし見直しがされない場合は、弁護士の了解を取ってインターネット上に回答書を公開し、他の宗教団体にこのような規程が広まらないように啓発したいと思います。今年の一番大きな仕事になりそうです。

 今回、回答してくださった弁護士は、宗教問題に詳しい弁護士です。ご紹介します。

 山口広弁護士は第二東京弁護士会所属、平成17、18年は日本弁護士連合会消費者問題対策委員長、1987年から全国霊感商法対策弁護士連絡会事務局長、平成21年から内閣府消費者委員。宗教トラブルなどの被害者救済の第一人者です。

 今村嗣夫弁護士は第二東京弁護士会所属、津地鎮祭違憲訴訟、自衛官合祀拒否訴訟、在日韓国人指紋押なつ拒否訴訟など、宗教的少数者や民族的少数者の人権問題、政教分離原則訴訟に多く関わられた、憲法訴訟の泰斗です。
by maranatha | 2011-01-27 07:34 | 裁判
宗教問題

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