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村上 密 Blog

おかしなキリスト教用語

 「トランスフォーメーション」という用語があります。キリスト教界内で使用されている用語です。聖書から導き出された「三位一体」のような神学用語ではありません。政治、経済、文化、因習、自然環境が改善され、好循環方向に変質していことを意味しているようです。良い例として取り上げられた国や地域で現在もそれが続いているわけではないことは、フィジーのその後を調べればわかります。また、「トランスフォーメーション」が起きるようにと祈って、改善ではなく、悪化した例は、「沖縄にトランスフォーメーション実行委員会」の実行委員長の喜納政弘氏(世界宣教教会)の教会とチャーチスクールで起きた出来事やこの運動にかかわってきたビュン・ジェーチャンを調べれば明らかです。

 おかしな用語を、すばらしい用語として使用すると、普通の人からはおかしな人、おかしな教会と見られます。1980年代から使用された流行り言葉で、中世の魔女狩りにも似た「悪霊追い出し」や成功哲学を神学に応用した「繁栄の神学」、キリストの救いを不完全としかねない「断ち切り」、平安を与えず恐れを与える「苦い根」等は、背教化していくキリスト教との指摘もあります。なぜなら、聖書からの説教ではなく、これらのムーブメントに走る教会は、現象と体験談が中心の説教に流れ、体験主義に傾斜しているからです。そこでは、体験を正当化するために、聖句が利用されているにすぎません。

 キリスト教のカルト化は、新しい用語と新しい運動によって教会に浸透してきました。カルト化が著しいと指摘されている教会の信者の言葉には、意味不明の言葉、カタカナ用語、自分たちだけに通用する用語、表現力の乏しさが顕著です。更に、自分たちの教会が世界で一番すばらしい教会、そこに属している自分たちは霊的エリートだ、という高慢が共通しています。世間に通用しない用語を多用すると、世間との関係が薄れ、その宗教団体の中だけが、気持ちを共有できるところとなり、信者の囲い込みが出来上がります。言葉が乱れると、生活も乱れます。おかしなキリスト教用語を使い続けるとおかしな信仰になります。気を付けましょう。
by maranatha | 2012-09-16 13:43
宗教問題

by maranatha