2013年 04月 18日
本の力
宗教トラブル相談センターには、異端、カルト、カルト化教会からの被害相談が日々寄せられる。困難な問題に取り組んでいると思われているが、取り組む勇気や助けも日々与えられている。そんな中で忘れられない、助けになった本を紹介したい。この本は、方向性と勇気、確信を与えてくれた本がある。
『十字架と飛び出しナイフ』(デイビィッド・ウィルカーソン いのちのことば社)
異端の救出には用語の変遷がある。はじめは「説得」、次に「説得カウンセリング」、そして「救出カウンセリング」である。説得のときは、『十字架と飛び出しナイフ』(デイビィッド・ウィルカーソン いのちのことば社)が方向性を与えてくれた。脱会に取り組んでいた頃、脱会者が、二度と元に戻らないためにはどうしたらいいか思案していたとき、、聖霊体験によって防げることを教えてくれた。理論だけではなく、体験がもたらす確信が必要である。それで、不良少年・少女が回復して行った体験を、あなたもできる、と語りかけ、祈りに導き、次々と聖霊体験していった。その体験をした青年たちがたくさん献身して行った。
『親身に聞く』(デビッド・アウグスバーガー すぐ書房)
カルトに入信した子を持つ両親たちが、異端問題で実績を上げていることを聞いて、カルトも扱ってくれるのではないかと、相談を持ちかけてこられた。異端には「説得」を持ちていた。組織神学や弁証論を学んでいたので、十分対応できた。しかし、カルトは聖書を使うわけではなく、カルト用語も分かりづらい。それで、彼らが信じていることを親身に聞き、「説得」ではなく「対話」でカウンセリングを始めた。それに役立ったのが『親身に聞く』である。これが切っ掛けとなって、心理学の本をたくさん読むようになった。
『王妃の離婚』(佐藤賢一 集英社文庫)
異端、カルト問題では、多くの弁護士と協力関係を持ち、法的な解決を目にしてきた。それで、民法や宗教法人法、教会規則等の学びを自己流でしてきた。カルト化教会の問題が顕在化したとき、神学や心理学だけでは不足を覚え、法律関係の本を読み漁った。そんな時、あるクリスチャン女性から『王妃の離婚』を頂いた。主人公のやっていることが、自分のやっていることに重なって見えた。神学と法律の組み合わせが、人の問題を解決に役立つことを再確認し、勇気づけられた一冊となった。
『十字架と飛び出しナイフ』は書店で題目に引かれて買った。『親身に聞く』は高齢の女性牧師から勧められた。『王妃の離婚』頂き物である。本との出会いはいろいろだが、本が自分の人生を豊かにしてくれた。三冊のいずれかを取って読まれることをお勧めする。
by maranatha
| 2013-04-18 16:24