2014年 05月 06日
説き明かし
イエスは、マタイの福音書16章によれば、ペテロの信仰告白の後に、「わたしはこの岩の上に教会を建てます」(18)「わたしは、あなたに天の御国のかぎを上げます。」(注1)と語られた。そして、「その時から、イエス・キリストは、ご自分がエルサレムに行って、長老、祭司長、律法学者たちから多くの苦しみを受け、殺され、そして三日目によみがえらなければならないことを弟子たちに示し始められた。」(21)イエスは、17章9節、12節、22節、23節、20章18節、19節でこのことを繰り返し語られた。イエスの十字架と復活は、教会が立てられるために必要だった。そして、その教会には、天の御国の鍵が必要とされている。イエスは、十字架と復活について、弟子たちに繰り返し語られたが、彼らはそれを理解できなかった。弟子たちが理解できるようになったのは、復活されたイエスが「聖書全体の中かで、ご自分について書いてある事がらを彼らに説き明かされた」(ルカ24:27)からである。彼らは、イエスの十字架と復活が、旧約聖書(注1)における神の約束の成就ということに気付かされ、心燃やされ、やがて、福音宣教に遣わされていく。
教会では、イースターを迎え、復活のメッセージが語られたことだろう。弟子たちは、エルサレムでの出来事を語り合うだけでは十字架の意味が分からなかった。教会でも、牧師がイエスの復活の出来事を伝えるだけでは十分ではない。牧師は復活の出来事の意味を伝えなければならない。そして、会衆は、どのように自分たちに関係しているのを知って、聖霊の働きによって、心を燃やされるのである。
注1 「天の御国の鍵」は村上密ブログに詳しく掲載されてあるので参照のこと。
注2 イエスの時代に「旧約聖書」と言う呼び方はない。これは現代の呼び方である。ルカの福音書では「モーセおよびすべての預言者」「聖書」「モーセの律法と預言者と詩篇」とある。この表現から、イエスの用いられた聖書は、ヘブライ語聖書であることが分かる。
by maranatha
| 2014-05-06 14:33