「 群集のためにイエスに近づくことができなかったので、その人々はイエスのおられるあたりの屋根をはがし、穴をあけて、中風の人を寝かせたままその床をつり降ろした。」(マルコ2:4)
壊された屋根は、だれの家か。それを解く鍵が2つある。1つの鍵は、マタイの福音書10章11節から14節である。滞在する家は吟味された家であり、町や村ではただひとつである。そこで滞在し、福音を伝えるように命じている。イエスがこのことを弟子たちに命じたのであれば、イエスご自身もこれを実践したと考えられる。もう一つの鍵は、マルコ1章31節である。ペテロの姑(妻の母)の熱病がイエスによって癒された。それから彼女はイエスを「もてなした」(仕えた)とある。これは一度っきりのもてなしではなく、もてなし続けた(仕え続けた)ことを表している。そうすると、カぺナウムでのイエスの滞在はペテロの姑の家となる。「町中の者が戸口に集まって来た」(33)のは姑の家の戸口となる。「数日たって、イエスがカぺナウムにまた来られ」(2:1)たのはペテロの姑の家となる。謎解きは、その聖書箇所だけでは分からない。