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村上 密 Blog

「ピーター・ワグナーの相関図」

①2008年6月、ワグナーと自称使徒達がベントレイを認証し按手祈祷を行う
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コロラド州の「国際使徒連盟」のリーダー、ピーター・ワグナーは、公の集会において「真に歴史的で真実な一致のサイン」と自ら称した特別なセレモニーの時を設け、当時レイクランド・リバイバルで有名だったトッド・ベントレイを「油注がれたリバイバリスト」として認証した。このセレモニーの壇上、ワグナーは、自称使徒達(リック・ジョイナー、チェ・アン、ビル・ジョンソン、ジョン・アーノット等)の前で「今日の教会の3本の使徒的柱はカリフォルニア州パサデナのチェ・アン、カリフォルニア州レディングのビル・ジョンソン、カナダ・トロントのジョン・アーノットである」と明確に宣言している。更に、ワグナーは、レイクランド・リバイバルを導く器としてベントレイを認めるかどうかこの三者(チェ&ビル&ジョン)に質問し、この3者はそれを承認し、次にワグナーはベントレイに質問し、この三者がベントレイの人生とミニストリーに対し使徒的権威を持っている事を認め、また使徒的同盟とリバイバルの働きにおいてこの三者との提携を望むかと問い、ベントレイはそれを了承している。これらを確認した上で、ワグナーはこの正式な任命は、見えない世界における力が与えられる事を意味すると発言し、神が自ら(ワグナー)に与えた使徒的権威を行使すると言って祈り始め、今後、ベントレイのミニストリーにおける力と権威と油注ぎと影響力と啓示は増し加えられ、新しい超自然的な力と命が「この神の働き(レイクランド・リバイバル)」に流れる等と宣言し、自称使徒チェ・アンにバトンタッチしている。チェ・アンはベントレイに按手祈祷し、ベントレイはその際、首を激しく左右に痙攣させながら倒れている。以下は、そのセレモニーの映像:
https://www.youtube.com/watch?v=YEwsG4lsXq4
以下は、上記のセレモニーに関する2008年6月25日付のCBNの記事:
http://blogs.cbn.com/ChurchWatch/archive/2008/06/25/apostolic-leaders-commission-lakeland-revival-leader-todd-bentley.aspx
信じがたい事に、ワグナーから祈りをバトンタッチされた自称使徒チェ・アンは「ボブ・ジョーンズの予言の重要性」について語った上で、ベントレイに按手して祈っている。ボブ・ジョーンズと言えば、ポール・ケインと同様、1980年代の「カンザスシティの預言者達」の代表格であり、ヴィンヤードの創始者ジョン・ウィンバーもかつて親交を持っていたが、グループ全体が大打撃を受け、ボブ・ジョーンズの不道徳を理由に袂を別ったという経緯がある。ちなみにポール・ケインは、2005年、それまで続けていた癒しのミニストリーを辞め、同性愛とアルコール依存の問題があると公に認めている。以下は関連記事:
http://maranatha.exblog.jp/20690151/
http://en.wikipedia.org/wiki/Paul_Cain_(minister)


上記の右端がリック・ジョイナー、中央がボブ・ジョーンズ


使徒・預言者運動とカンザスシティの預言者達に関する記事によれば、1980年代当時、カンザスシティの預言者達のメンバーは、ビル・ハモン、リック・ジョイナー、ボブ・ジョーンズ、ポール・ケイン、マイク・ビックル(IHOP)とされている:
http://en.wikipedia.org/wiki/Apostolic-Prophetic_Movement

②2008年8月〜2009年3月、ベントレイの離婚と再婚
ベントレイは、上記のセレモニーの約2ヶ月後の2008年8月、「フレッシュ・ファイヤー」というミニストリーの役員を辞任した。役員会は、ベントレイが教会スタッフとの間に不健康な関係がある事を認め、声明を発表した:
http://en.wikipedia.org/wiki/Todd_Bentley
ベントレイは長年連れ添った妻と別居した後、まもなく離婚し、翌年その若い女性スタッフと再婚した。以下は、この問題を取り上げた過去のブログ記事:
http://maranatha.exblog.jp/20682022/

③2008年8月、ワグナーの釈明
ピーター・ワグナーは、体じゅう刺青だらけのトッド・ベントレイを、女性問題が発覚する約2ヶ月前に、「油注がれたリバイバリスト」として公に認め、自称使徒達と共に按手祈祷を行った。このことで、ワグナーのミニストリーは大打撃を被った。その後、ワグナーはこの問題を釈明する声明を出している。以下は、この問題に関する2008年8月26日付の記事である。記事のタイトルは「ピーター・ワグナーがトッド・ベントレイの大失敗について釈明する」である:
http://www.thevoicemagazine.com/blog/breaking-news/peter-wagner-expounds-on-todd-bentley-fiasco/

④2008年11月、役員会の発表
問題発覚後、リック・ジョイナー、ビル・ジョンソン、ジャック・ディアが、ベントレイの家族の霊的回復過程を監督する役割を担っていたが、フレッシュ・ファイヤーの役員会は、2008年11月、ベントレイがその指導に従っていないと発表した。
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左から、トッド・ベントレイ、ビル・ジョンソン、リック・ジョイナー

⑤2009年3月、リック・ジョイナーがトッド・ベントレイにインタビュー
ベントレイの離婚と再婚の問題が発覚して間もない時期、リック・ジョイナーは、自らの番組にベントレイを招き、ベントレイにインタビューした。ジョイナーは、同年3月、カリスマ誌に、ベントレイは再婚し、回復の過程にあると語った。非常に問題なのは、上記のインタビューで、女性問題を起こして辞任し、離婚して間もないベントレイが「偉大なレストレーションのメッセージを語ってゆきたい」と発言し、ジョイナーもそれに賛同している点である。「レストレーション」「使徒的ムーブメント」「五役者の回復」「カンザスシティの預言者達」といった問題だらけのムーブメントが昔から密接に繋がっていた事が伺える。以下は、このTV番組である:
https://www.youtube.com/watch?v=bdh51_d2g50
その後、ジョイナー主宰のTV番組に夫婦で出演したベントレイとその後妻ジェサは、この番組中、自ら「ダビデとバテシバ」の事を例に挙げ、「私達が悪かった」「罪には結果が必ず伴う」「私達は何も言い訳はしない」「私達は今や再婚している」「私達は何も正当化しない」「私達は過ちを犯した」「一生、この罪の結果を背負って生きていくことになる」等と堂々と、リック・ジョイナーの前で公に罪を認めている。以下はその際の映像と写真:
http://www.youtube.com/watch?v=MHDHedCkjzo

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以下は、この問題を取り扱った過去のブログ:
http://maranatha.exblog.jp/20682049/
非常に危険と思われるのは、ベントレイが異端的な教えで有名な「ウィリアム・ブランハム」を崇拝している事である。ブランハムは「1977年に世界の体制は終わり、1000年王国に導かれる」といった偽予言を行うだけでなく、「主はこう仰せられる。三位一体論は悪魔によるものだ!」とさえ公言した異端も甚だしい人物である:
http://www.youtube.com/watch?v=w_bvvSOLW7Q
またベントレイは集会で信者に暴力を振るい、集会中、天使を強調し呼ぶ事でも知られている:
http://maranatha.exblog.jp/20683978/
ちなみに、2012年8月、ベントレイは英国に入国しようとした際、ベニー・ヒン同様、英国政府から入国を拒否されている。ベントレイが崇拝し信奉しているブランハムの異端的な教えは、「後の雨」であり、「ヨエルの軍隊」である。そして、1950年代にブランハムと共にミニストリーを行っていたのが同性愛とアルコール依存の問題で2005年に辞任したポール・ケインである。更に、ベントレイはそのポール・ケインと非常に親しい関係にある。日時は不明だが、集会で、ポール・ケインがベントレイの為に祝福と油注ぎを祈っている。以下はその際の写真。左がベントレイで右がポール・ケイン:
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映像は以下:
http://www.youtube.com/watch?v=db76DwFSZjE
興味深い事に、ベニー・ヒンも、ベントレイと同様にブランハムを「最も偉大な癒しの伝道者」と呼び崇拝している。ブランハムについては以下:
http://maranatha.exblog.jp/20712806/

⑥2011年9月、ワグナーが回顧録を出版
この回顧録の内容に関して大変驚いたのは、フラー神学校の教授だったピーター・ワグナーはオーソドックスな福音主義の終末論から逸脱した「プレテリズム」(過去主義)を信奉するようになっている事である。「ワグナーの回顧録」を批評した文書の翻訳文がネット上に掲載されている:
http://moriel.jp/news/wp-content/uploads/2010/05/c-peter-wagner1.pdf
これまでピーター・ワグナーの書籍が読まれてきた一つの理由は、彼が福音主義の神学校の筈の「フラー神学校の教授」という肩書きがあったからだと思われる。ところが、この文書の6ページに「キリストが地上で千年間支配することの否定」という箇所がある。これは、クリスチャン・トゥデイの方針「福音的な立場の堅持」と全く相容れない筈である。なぜ、クリスチャン・トゥデイは、このようなピーター・ワグナーのムーブメントを紹介するのか大変理解に苦しむ。
以下は、「プレテリズム」(過去主義)に関する記事である:
http://en.wikipedia.org/wiki/Preterism
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E9%81%8E%E5%8E%BB%E4%B8%BB%E7%BE%A9

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「回顧録」の表紙


以上は私の過去のブログの記事を整理し、新たな記事を加え、有益な文書にしてくれた友人の協力による記事である。(2014年10月28日掲載記事)


by maranatha | 2014-11-02 20:56
宗教問題