2016年 06月 30日
ギュツラフ 光と陰
カール・ギュツラフは現存する最古の日本語訳聖書『ギュツラフ訳聖書』を翻訳した人物である。『日本開国』(渡辺惣樹 草思社文庫)を購入して読んでいると、彼について伝記では出てこないようなことが記述されている。「ギュツラフは、前任者のモリソンが亡くなってから、布教には圧倒的な海軍力を見せつける必要を感じ、教団を通じてそれを訴えてきました。この自己中心的な(SinoCentric)帝国の弱体化のためには、ジャーディーン・マセソン商会の配下でアヘン密売網を広げることも厭いませんでした。満州沿岸まで密輸船を駆使して旅をしました。」(p86)「ジャーディーン・マセソン商会の尖兵となり、支那沿海部に密売ルートを作り上げてきたギュツラフ師。」(p95)その他にも彼に関することが出てくる。ギュツラフは、中国宣教だけでなく、工作活動をしていた人物となる。
by maranatha
| 2016-06-30 21:18
| 光と陰