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村上 密 Blog

ヨナの神

ヨナが信じている神は、彼自身の言葉によると「情け深くあわれみ深い神であり、怒るのにおそく、恵み豊かであり、わざわいを思い直される」(4:2)神である。しかし、それだけではない。

思い直す神である。
「もしかすると、神が思い直してあわれみ、その燃える怒りをおさめ、私たちは滅びないですむかもしれない。」(3:9)「神は、彼らが悪の道から立ち返るために努力していることをご覧になった。それで、神は彼らに下すと言っておられたわざわいを思い直し、そうされなかった。」(3:10)

備える神である。
備えはヨナ書に4回出てくる。神は、ヨナのために、大きな魚、とうごま、虫、東風を備えられた。
「主は大きな魚を備えて、ヨナをのみこませた。ヨナは三日三晩、魚の腹の中にいた。」(1:17)
「神である主は一本のとうごまを備え、それをヨナの上をおおうように生えさせ、彼の頭の上の陰として、ヨナの不きげんを直そうとされた。ヨナはこのとうごまを非常に喜んだ。」(4:6)
「しかし、神は、翌日の夜明けに、一匹の虫を備えられた。虫がそのとうごまをかんだので、とうごまは枯れた。」(4:7)
「太陽が上ったとき、神は焼けつくような東風を備えられた。太陽がヨナの頭に照りつけたので、彼は衰え果て、自分の死を願って言った。「私は生きているより死んだほうがましだ。」(4:8)

きげんを取られる神である。
「神である主は一本のとうごまを備え、それをヨナの上をおおうように生えさせ、彼の頭の上の陰として、ヨナの不きげんを直そうとされた。ヨナはこのとうごまを非常に喜んだ。」(4:6)

ヨナはどんな人であろうか。
一番「死」を願った人である。
「主よ。今、どうぞ、私のいのちを取ってください。私は生きているより死んだほうがましですから。」(4:3)
「太陽が上ったとき、神は焼けつくような東風を備えられた。太陽がヨナの頭に照りつけたので、彼は衰え果て、自分の死を願って言った。「私は生きているより死んだほうがましだ。」(4:8)
「すると、神はヨナに仰せられた。『このとうごまのために、あなたは当然のことのように怒るのか。』ヨナは言った。『私が死ぬほど怒るのは当然のことです。』」(4:9)

ヨナ書は、私たちが思い込んでいる旧約の神観を直してくれる書である。そして、預言者が特別な人ではなく、私たちとそんなに変わらない人であることを教えてくれる。それにしても何と多く「死」を願う人であろうか。そのような人を預言者として用いられる神は憐れみ深い神である。

by maranatha | 2016-07-04 20:21
宗教問題

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