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村上 密 Blog

母と涙

母はめったなことでは泣かない人だ。私の20歳の時のことである。私は、成人式には出ないで、山に登って祈る時を持った。夜、夕飯を食べずに友達と飲むために市内へ出かけた。店で酒やウイスキーを飲んで酔っ払い、外に出てはいた。どうやって帰ったか覚えていない。家に着いて、倒れ、けいれんを起こし、死にかけた。母が密が死ぬ。密が死ぬ、とうろたえて泣いた。急性アルコール中毒である。死ななかったのは神のあわれみである。神をまだ信じていない私の使い道を考えて生かしてくださった。ずいぶん昔のことであるが、中学生になると、大人たちは、何かの折に、ビールや酒を注いでどうだ、と言って飲ませる。学校では禁酒を教えるが、社会では飲むことを教える。どっちを選ぶかというと、学校では飲まない。学校外では飲む。こうやって、両立させる。20歳を迎える頃にはだいぶ強くなる。こうやって熊本の男は酒に強くなる。さすがに今もこのような習慣があるとは思えないが、昔はあった。酒に強いので、過信して、20歳の酒を飲んだ。そして、死にかかった。クリスチャンになって、酒を飲まなくなったのですか、と聞かれることがあるが、成人の記念に止めました、と答えている。私はこうやって、酒を卒業した。今、結婚式の席などで少しワインやシャンパンを飲む。飲む人には、止めるようにではなく、飲み過ぎないようにと言う。タバコを吸う人には、止めるようにではなく、吸い過ぎないように注意する。私はタバコは嫌いで吸わない。何でも過ぎるとよくない。食べ過ぎもである。こうして、以後、酒で母の涙を見ることはなくなった。

by maranatha | 2017-11-18 23:15 | 故郷
宗教問題