2018年 06月 12日
思い出 1
玄熊じいさんは大層私を可愛がったそうだ。胡坐をかいた間に私を置いて、酒のつまみの天ぷらやちくわをちぎってはくれたそうだ。玄熊じいさんが亡くなった。墓地に穴を掘って棺を入れ、その上に土を戻してこんもり土饅頭を築きあげる。近所の人が幼児の私に玄熊じいさんはどうしたと聞くと、穴掘ってこうと言ったそうだ。私には玄熊じいさんの記憶がない。みな両親からの話だ。熊本に帰ると墓地に行く。玄熊じいさんはそこに眠っている。玄熊じいさんの姓は続、村上ではない。父は玄熊じいさんに乞われて若い時に同居するようになった。
by maranatha
| 2018-06-12 12:16
| 故郷