2018年 09月 29日
代理人
人生の嵐を経験している人の相談を牧師になって37年受け続けてきた。と言うことは関わる私も嵐の中を生きてきたわけである。救急医療に従事する医師や看護師は緊張状態が続き、精神的に疲れやい。私は宗教問題の「救急医療」に従事するような生活を過ごして来た。バーンアウトに陥らずに過ごせたのは、使命感と役割を果たした満足感である。
なぜ、自分の教会外の宗教問題に顔を突っ込むのかと批判はある。牧師には囲いの中も外も働きの場である。各個教会が「治外法権的な関係」を築いたために、他の教会の問題に介入してはならない、との約束事できていた。聖神中央教会事件が騒がれる前、京都や大阪の教会には聖神中央教会から出た人々が相談に足を運んでいた。具体的な対応はどこの教会もしてこなかった。他の教会の問題に介入できないと思っていたからである。
異端やカルト相談は牧師になってから途切れたことはない。カルト化教会や教会の問題は2000年代に入ってから増えてきた。教会間の「治外法権的な関係」を崩して、他教会員の相談を受けることができるようになったのは、代理人に気づいてからである。代理人は、委任者のいろいろな不足を補う役目を果たし、委任者とともに問題に取り組むことができる。
代理人は他の教会の問題、宗教の問題を解決するのに役立つ。しかし、代理人になって宗教問題に取り組む人がいるかと言うとなかなかいない。相手方に弁護士がついた場合、「あなたは弁護士業務に当たることをしています。それは皮弁行為です。」私は「報酬を目的として代理人をしていません。」と返答すると、それ以上弁護士は何も言ってこない。このようなやり取りは何度もあった。報酬がないのに働きが続けられるかが問題である。幸い、宗教トラブル相談センターは寄付を受けているので活動ができる。経済的な困窮者への支援は寄付金からと手弁当である。寄付からは人件費は支出されていない。また、相談者から経費を受ける場合とボランティアの場合とがある。経費は交通費と宿泊費である。代理人でない働きに対しては報酬を受けることもある。教会から牧師への謝儀があるからこそできるわざでもある。
by maranatha
| 2018-09-29 13:19
| 宗教トラブル相談