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村上 密 Blog

牧師の優先事項

いつ召されるか分からない方の件で待機をしていたが、どうやら持ち直された。ただ、猛暑が続いていることと、高齢であることを考慮して、待機を維持している。8月後半から出張が続いているが、出張先での礼拝の奉仕の他は、キャンセルして葬儀の司式をするために駆けつける予定である。牧師になるとき、両親に言ったことがある。もし、父や母の葬儀が日曜になる場合、私は礼拝を休んで参加することはできない。しかし、礼拝の後、その他の日であるならば、どんなに遠くにいても駆けつける、と伝えている。今回のケースも、日曜日は告別式の司式はできないと伝えて、了解を取っている。なぜ、そんなに礼拝にこだわるのか。それは、礼拝が両親の葬儀よりも私の優先事項だからである。両親も、そのことを理解してくれていた。父が召された時、父は日曜日を外してくれた。兄が父の危篤を電話で知らせてくれた時、私は妻に式文、式服、喪服一式を持って後から来てくれと告げ、すぐに家を出て、ジェット機で父のもとに急いだ。私が病院に到着したときは、父は蘇生した後だった。やがて、また心臓が停止した。その後、妻と子供たちが病院に到着した。私はもう父の命が持たないだろうと思い、おとうさん、僕の神様はお父さんの神様だよね。おとうさんは、僕がどのようにして歩んできたかよく知っているよね。僕の神様を信じてほしい、と信仰の決断をせまった。父はもう声を出せない状態だったので、目に涙を浮かばせ、うなづいてくれた。僕は牧師だ。葬儀に司式は僕に任せてくれるかい、と申し出だ。父がうなづいて同意した。家族親戚が同席していたので、キリスト教式の葬儀委に反対する人はいなかった。私の里で初めてのキリスト教式に葬儀が行われた。葬儀の後、叔父が私の葬儀の時もキリスト教式でしてほしいと頼んできた。後に、叔父はすい臓がんで召された。召される前、電話で密・・。密・・・。密・・俺はな・・・すい臓がんなんだ。おまえ、できるだけ早く俺のところに来てくれないか。お前に頼みたいことがある。私は、わかった。そして、日にちを告げて電話を切った。私は叔父のところに出掛けて、叔父と叔父の家族と昔のことなどを話し、笑い、泣き、時間を過ごした。叔父は、葬儀を以前言っていたようにキリスト教式で頼む。そして、家族の力になってくれ。私は、わかった。後のことは心配せんでもいい。しっかり治療に専念してほしいと言った。葬儀の後、叔父の日記が出てきた。駆けつけてきた日の前後では見違えるような内容だった。日々を感謝し、平穏な入院生活を過ごして、そして召された。余談だが、前夜式、告別式の時、私を見た人は、ギョッとし、あるいは飛び上がり、あるいは身を引き、驚いた。私が叔父によく似ていたので、なぜ、亡くなった人は目の前にいるのだと思ったのである。父や叔父は生前、義父が長年毎月送っている福音文書をよく読んでいた。父や叔父が信仰を持つ準備はすでになされていたのである。
by maranatha | 2019-08-09 13:14 | 牧師
宗教問題

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