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村上 密 Blog

悔い改めた人を赦しなさい

ある著名な牧師が赦しなさいを強調していた。ところが最近、悔い改めた人を赦しなさい、と強調している。前者は無条件に赦すことを言っているように思えるが、何を赦すのかが判然としない。しかし、後者は、悔い改めた人を赦すのであって、無条件の赦しではない。赦しなさいが強調されると、人は無条件に赦すことを勧められていると思い込んでしまう。しかし、悔い改めた人をであれば、赦すべきかどうか迷っている人にとってわかりやすい。悔い改めていなければ、赦さなくてよいわけであるから、心は痛まない。これが無条件であったら、赦せない人は自分を責めて、その心の痛みが、他人から受けたものより深刻化してしまう。

悔い改めには、悔い改めている、という見せかけと真の悔い改めがある。見せかけは赦しを引き出す手段であって心からではない。真の悔い改めは、損害を与えていれば償いが伴う。見せかけの悔い改めの場合は償いを免れようとする。それで、偽りの悔い改めか真の悔い改めかを判断できる。口先だけの悔い改めの人を赦すことは人を変える力がない。偽りが通ると思い込ませ、罪を助長させることになる。

ある牧師が信徒に対してひどい対応をした。いろいろなやり取りがあった末、牧師は信徒に謝った。しかし、信徒はそれが釈然としない。私に相談があったので、私が何を謝ったのですかと問いただすと、謝ったのにそれ以上何を要求するのですか、と反論してきた。何に対してと聞いているので、何に対して謝ったのかを言えばよいのに、何をそれ以上要求するのですか、と返事があった。心からの謝罪であれば、信徒は赦す気持ちを持っていた。以後牧師は口をつぐみ、以後一切まともな対応しなくなった。それどころか、信徒を切り捨て始めた。そのことに一層信徒は傷つけられた。信徒は赦す気持ちを持っていた。牧師は自分の不始末を口先だけで片付けようとして心が伴っていなかったことを証明した。

by maranatha | 2020-04-03 10:21 | 赦し
宗教問題

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