思わぬ発見

花壇事件の犯人は人間ではなかった。ネコがリュウキュウガネブの若い芽をダメにした犯人だった。犯人逮捕には至っていない。まだ姿かたちも見ていないが、現場に残されたフンの数々が証拠である。罪意識のないネコを相手にして憤慨しても仕方がない。ネコのフン害をこれ以上招かないように対策をしてこの事件は終わることにした。

現場検証をして、思わぬ発見をした。ヤモリをほぼ同じ時刻に２匹見かけたのである。1匹は花壇に水やりする水道の近くである。もう1匹はオリーブの木が植わっている鉢の中である。どうして鉢の中にいたのかというと、土を乾燥させないために、花壇の草引きをして、その草を鉢の中に入れていたからである。その草を片付けようとして持ち上げたときヤモリが出て来た。虫がいるからエサには困らないはずである。1っ匹は命の水のほとりに住み家を構え、もう1匹はオリーブの木の下で、毎夜ゲッセマネの祈りをしていたわけである。教会に住み家を得たヤモリはそれぞれ聖書にちなむ生き方をしていたわけである。