2024年 01月 30日
赦しなさい!?
「赦しなさい」、が語られる時、良く引用されるのはマタイの福音書18章21節22節である。こう書かれてある。「そのとき、ペテロがみもとに来て言った。『主よ。兄弟が私に対して罪を犯した場合、何回赦すべきでしょうか。七回まででしょうか。』イエスは言われた。『わたしは七回までとは言いません。七回を七十倍するまでです。』」赦しなさいを強調する人は、この言葉の前後にあるイエスの言葉を学ぼうとしない。まず、20節の終わりに鍵かっこがある。どこから始まっているかと言うと18章3節からである。18章1節の「弟子たちがイエスのところに来て言った『天の御国では、いったいだれが一番偉いのですか』に対するイエスの応答が3節から20節までである。15節の「もしあなたの兄弟があなたに対して罪を犯したなら」から続くイエスの教えに対するペテロの質問が21節となっている。それに対して、イエスは兄弟間(神を信じる者たちの間)で起きた罪をどのように扱うかについて語られた。15節は解決について書いてある。16節は15節で解決されない場合の次の段階である。17節はさらに聞き入れない場合の最終手段である。イエスは罪の指摘を受け入れる者が関係を取り戻すと語られた。罪を犯していながら罪を認めない者とは関係を切るように教えられた。この罪をどのように扱うかに対するイエスの教えから「赦しなさい」だけを導き出すのはできない。赦しには罪を認めることが必要な条件であることがわかる。罪を認めたらどうしたらよいかは当時は自明のことであるから、「命には命、目には目、歯には歯、手には手、足には足、やけどにはやけど、生傷には生傷、打傷には内傷をもって償わなければならない」(出エジプト21:23~25、レビ24:19~20、申命19:21)
参考箇所
by maranatha
| 2024-01-30 09:50
| 聖書