祖父(母方)を思い出した。祖父の隠居宅は、母屋がある敷地ではなく別の敷地にあった。その間に、大きなイチジクの木があった。熟す頃、よく食べた。祖父の隠居宅には池があった。池の水は山から流れてくるきれいな水だ。タニシがいて、砂糖醤油で佃煮にして食べさせてくれた。何のツルか知らないが、そのツルの中の虫を串刺しにして囲炉裏端で焼いて食べさせてくれた。蜂の子も食べさせてくれた。ご飯も食べたはずなのに思い出すのは普段は食べないものばかりだ。背が高く、男ぶりのいい祖父だった。祖父の死の間際、おばたちが「おとっつあん」と涙声で呼びかけていた。