小学生の低学年ごろまで、わが家にはネコがいた。ときときネズミを捕って来て、私の目の前でそれを放し、また手で押さえつけたりして捕って見せてくれた。ネズミを捕り方を教えているのだろうか。時にはトカゲを捕ってくる。これも同じようにする。忙しい両親に代わってネコが私は育ててくれた。ときどきいなくなると、どこへいたと、猫山に行ったとと母が言った。やがて何事もなかったかのように帰って来て同居を続けてくれた。そのネコが私が一緒に暮らした最後のネコになった。
中学生の頃ハトを飼った。何羽かいたハトの中でピーがいた。ひなから育てたハトで、遠くまで飛べなかあった。ハト小屋から屋根に向かって飛ぶくらいで、空をゆうゆうと飛ぶ姿を見たことがなかった。そんなピーだったが一番かわいかった。普通は早く飛べるハトをかわいがる。しかし、私にはあまり飛べないハトがかわいかった。神の選びと言うものは、何かができるからではなく、何もできなくても、愛し、選んでくださる。